「パンデミック∞パンまつり」は、「パラダイス酵母」を使い、皆でオンラインで繋がりながらパン作りをする、2日間のイベントです。
「パラダイス酵母」は、福島「あんざい果樹園」の安斎伸也が2007年冬に偶然発見したリンゴ由来の酵母を、鎌倉「パラダイス・アレイ」のパン職人・勝見淳平が10年以上かけ継いできたものです。勝見が国内外で出会った人々にこの酵母を手渡し、さらに受け取った人たちがまたそれを株分けしたことで拡がり続けています。ウィルスなど感染症の世界的流行を意味する言葉として使われている「パンデミック」の語源は、ギリシャ語の「Pan(すべての)+Demos(民衆)」であると言われていますが、「パラダイス酵母」は徐々にパンデミック状態になりつつあります。
鎌倉在住のサウンドアーティスト瀬藤康嗣と勝見の出会いによって2006年にスタートした鎌倉のクリエイティブチームROOT CULTUREには「文化活動で、地域に根を張る」という思いが込められていますが、同時にこの言葉には「培養根」という意味があります。ROOT CULTUREは根を培養して株分けによって倍々に増えていく農業技術を意味しますが、「パラダイス酵母」が拡がり続けている様子は、ROOT CUTLUREのイメージそのものでもあります。
「パンデミック∞パンまつり」では、「パラダイス酵母」を使ってパン作りを行いながら、発酵を待つ時間にはパラダイス酵母の活用法についてのトークやワークショップを行います。さらに発酵のプロセスを可聴化するデバイス作りとそれを用いた音作りを行い、その音と一緒にゲストミュージシャンによるライブ演奏も行います。これらの様子はオンラインで配信されます。
2日間の発酵とパン作りのプロセスを終えると、酵母とパンが祀られた祭壇が完成します。オンラインの視聴者も2日かけてそれぞれがパン作りを行い、参加者の体内に取り込まれます。